第3回
ミドルエイジの春先のスキンケア
男女を問わず名だたるアーティストや俳優たちから絶大な信頼を獲得しているヘアメイクアップアーティスト、KUBOKIさん。その人の魅力を最大限に引き出すテクニックは、美容業界でもトップクラスの呼び声が高い。クワトロボタニコはそんなKUBOKIさんにスペシャルインタビューを敢行。今をときめくヘアメイクアップアーティストが、男性の老け見えを打破し、枯れないカッコいい大人になるためのノウハウを語る。連載の最終回となる第3回目は春先のスキンケアについて。
ドライ肌もオイリー肌も、乾燥対策がスキンケアの要
クワトロボタニコのユーザーの中には、肌の悩みを持つ方が少なくありません。KUBOKIさんはお仕事柄、俳優さんやアーティストと触れ合う機会が多いと思いますが、そういった方々も肌のお悩みを持っているのでしょうか?
人前に出ることを仕事とする方々は総じて意識が高く、普段からスキンケアに気を遣っている人がほとんどです。ただ、ハードなスケジュールやストレスによって、肌のコンディションが乱れてしまうことも多く、私がスキンケアのアドバイスをすることも。ミドルエイジの方の場合、特に多い悩みは乾燥による肌荒れやベタつきです。
ドライ肌やオイリー肌は、一般の男性の間でも、もっとも多い悩みです。どのようなスキンケアが有効ですか?
ドライ肌とオイリー肌は対照的な肌タイプと思われがちですが、じつはどちらも肌の水分不足がおもな原因です。水分が不足すると肌が乾燥しますが、肌のベタつきも、乾燥した肌にうるおいを補うために、皮脂が過剰に分泌されることで起こると言われています。
男性の肌は女性よりもデリケート!?
では、肌にうるおいを補給することが肝心ですね。
そう、洗顔の後には化粧水で水分をしっかり補給して、うるおいをキープする必要があります。この「保湿」こそがスキンケアの基本です。特に冬場や春先は肌が乾燥しやすいため、肌トラブルの発生率が高まります。さらに、ミドルエイジの男性には、冬以外も保湿を念入りに行うべき理由があります。ひとつは、年齢を経るごとに、肌はだんだん水分を保つことができなくなってくること。そしてもうひとつは、男性の多くが毎日のように行っているシェービングです。
たしかにシェービングの後に肌がヒリヒリしたり、つっぱりを感じたりすることがあります。
ヒリヒリの原因は、肌のバリア機能を果たす角質層が剥がれ、敏感な状態になっているから。このときの肌は、水分も失われやすい無防備な状態です。そんな肌を守るためにも、髭剃りの後には、保湿をしっかり行わなければならないんです。
スキンケアの基本は化粧水とクリームの2ステップ
保湿といえば、まずは化粧水ですね。
肌に水分を補給するのは化粧水です。ただ、化粧水は使い方によって保湿力に差が生まれるので注意してください。たとえば、鏡を真っすぐ見ながら手でバシャバシャすると、肌に浸透する前に下に垂れてしまい、十分な効果が得られません。化粧水を使う時は、下を向いて、両手で顔全体をプレスするようにすると、浸透率が高まります。また、化粧水のテクスチャーに関しても、水状ではなく、若干とろみのあるものの方が肌の上にとどまりやすいため、浸透しやすいと言えますね。
ただ、空気が乾燥する冬場や春先は、化粧水だけだとうるおいが長持ちしません。
その通り。保湿は化粧水のみ、という男性が多いのですが、できればあとワンステップ、乳液やクリームを加えてほしい。化粧水の後にこうしたアイテムを使うことで、うるおいや栄養を補給できますし、化粧水の水分が蒸発するのを防ぐこともできますから。今よりたった「プラス1分」のこのひと手間で、肌のコンディションが大きく変わります。
男性でも、クリームを使った方がよさそうですね。
はい、まずは「化粧水」と「乳液もしくはクリーム」のシンプルな2ステップが基本です。さらに屋外でレジャーする時間が長い人はUVケアアイテムを、シミが気になるなら専用の美容液を、といった風にスペシャルケアを加えていくのもいいですね。
コスメに詳しい男性の中には、あえて女性用を使っている人もいるようですが。
保湿アイテムは必ず男性用を使うのをおすすめします。女性用のスキンケアアイテムは、あくまで女性の肌質に合わせて考えられたものです。中にはアルコールが多く含まれていたり、浸透がとても高かったり、男性が使うとシェービング後などに刺激を感じるものも少なくありません。そもそも男性の肌は普段メイクで保護されていない分、紫外線や外敵ダメージが蓄積されがちで、じつは女性より敏感な状態になっている場合が多いんです。そういった男性の肌質に合わせた保湿アイテムを選んだ方がベターです。
肌トラブルが起こりやすい冬や春先。肌の状態がよくないときにおすすめの応急処置的なスキンケアはありますか?
ひどい乾燥で粉が吹いているときなどには、ローションパックを試してみてください。コットンに保湿力の高い化粧水をたっぷり浸して、気になる部分に載せるだけ。乾燥が気になる部分を集中保湿できます。ただ、やりすぎはかえって肌に刺激を与えるため、時間は2、3分程度に。また、乳液やクリームをいつもより多めに使うだけでも、肌の状態が上向きます。
5年後、10年後もカッコいい男であり続けるために
最後にクワトロボタニコユーザーに、「枯れない“カッコいい”男」になるためのアドバイスをお願いします。
今やスキンケアは、男性にとっても、「やっていて当たり前」のことになりつつあります。化粧品も日々進化を遂げていて、基本的なアイテムを使うだけでも、肌を十分いい状態に保つことができるようになっています。
何より、スキンケアは第一印象をもっとも大きく左右する“清潔感”をもたらしてくれます。特にミドルエイジの方々は、ビジネスにおいていかに清潔感が重要かはよくお分かりのはず。
スキンケアは筋トレと同じで、続けた分だけ結果が出ます。5年後、10年後を想像してみてください。続けた人と、そうでない人の見た目にははっきりと差が生まれます。
今まで走ってきた大人の男性だからこそ、そろそろ自分に手をかけて欲しい。スキンケアに関しては、20代から学ぶこともあるかもしれません。今からでも間に合います。正しいスキンケアを習慣化すること。枯れないカッコいい男であり続けるために、一緒に頑張っていきましょう。
PROFILE
ヘアメイクアップアーティスト
KUBOKI
都内サロン勤務後、メイクアップスクールで学んだ後、ヘアメイクアーティストのアシスタントを経て独立。美容誌をはじめ、広告など様々なジャンルの活動の場を置く。女性だけでなくメンズ美容に対しても一流との呼び声高く、2017年には著書『男の美容武装』(ワニブックス)を上梓。美容誌では男性美容をテーマにした連載も手がける。2021年3月には、東京・中目黒にヘッドマッサージサロン『awin』もオープンするなど活躍の場を広げる。
写真/五十嵐 真(インタビューカット)
文/押条良太(押条事務所)
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